疾風スプリンター
2017年1月7日(土)より新宿武蔵野館ほか全国公開
このド迫力のスピード感と興奮に、胸の震えが止まらない!
業界初!本格プロ・ロードレース・エンタテイメント
連れていく、限界のその先へ――
監督・脚本:ダンテ・ラム『激戦 ハート・オブ・ファイト』
出演:エディ・ポン『激戦 ハート・オブ・ファイト』、チェ・シウォン『ドラゴン・ブレイド』、ショーン・ドウ『サンザシの樹の下で』、ワン・ルオダン『いつか、また』
2015/香港・中国/北京語、広東語、英語、韓国語/スコープサイズ/カラー/DCP/125分/原題『破風』、英題『TO THE FORE』/字幕翻訳:鈴木真理子/提供:ギャガ、新日本映画社/配給・宣伝:エスパース・サロウ
STORY
“チーム・レディエント”は、チョン・ジウォン(チェ・シウォン)をエースとする自転車ロードレースチームの強豪だ。そこへ、アシストとして所属することになったチウ・ミン(エディ・ポン)とティエン(ショーン・ドウ)。互いにエースの座を目標に切磋琢磨しながら、アシストとして力を発揮し、同時に友情も深めていった。そして、ジウォン、ミン、ティエンの3人は、レディエントを引っ張る主力選手として力を合わせ、ライバルの“チーム・ファントム”の妨害にひるむことなく、台湾各地で連戦を繰り広げていた。そんななか、“チーム・レディエント”は、資金難で運営が立ち行かなくなる。そのため、ジウォン、ミン、ティエンの3人はそれぞれ別のチームに所属することとなり、エースとして競い合うことになるのだが…。
PRODUCTION NOTE
「エース」 リーダーとも呼ばれる。各チームに数人、各レースシーンに応じて好成績を挙げる可能性が最も高い選手が担う。エースはレース中、チームメイトのサポートを受け、風による影響や体力の消耗、ライバルの妨害から守られる。ゴールの200~300m前から、抜け出して最後のスプリントをかけるためだ。そのため、エースには爆発的なパワーが求められる。
「アシスト」
チームの中で、最も多くの選手がこの役割を担う。主な任務は、エースの前方を走って風よけとなり、ゴールスプリントをかける体力をエースに温存させること。通常かたまって隊列を組み、風の抵抗を抑える。また、ライバルとの駆け引きも行う。突然、加速して逃げを図ると、離されまいとする敵アシストは追撃に出る。こうした駆け引きを通してレース全体のスピードやリズムの維持を図るのだ。うまくすれば、ライバルの体力を早めに消耗させ、失速させることができる。レース中のいかなる事態にも、アシストは経験と連係力で対処する。戦場の狙撃手のように、コース上の一草一木にまで目を配り、風向きや風速を目測で判断しなければならない。そして、エースが事故でリタイヤするなど不測の事態が起きた場合には、エースの代役を務めるなど、エースと同等の実力を持つ選手も含まれ、この様な選手は「セカンド・エース」と呼ばれることもある。
「ロードレース」 全世界の選手が所属するチームは主に3つのランクに分類される。3番目のランク(コンチネンタルチーム)には無数の選手が所属し、躍進を狙っている。そこから選ばれた者だけが2番目のランクの(プロフェッショナルコンチネンタル)チームへ加入がかなう。最上位ランクのワールドチームは全世界に二十数チームあり、ロードレース界の注目の中心である。レースはランクによって日程が決められていて、最短で2日間、最長では20日以上に及ぶ。さらに、ワンデーレース、ステージレース、個人タイムトライアル、チームタイムトライアル、個人戦など細かに区分される。
中でも、世界三大ツールと呼ばれるのが、ツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャだ。期間の長いステージレースで、全ステージの累計タイムで個人総合優勝とチーム優勝を競う。
「トラックレース」 タイムトライアル(男子1㎞、女子500m)、個人追抜競走、団体追抜競走(男子4㎞、女子3㎞)、チームスプリント、個人スプリントなどがある。香港の自転車女王・李慧詩(サラ・リー)選手は、500mタイムトライアル、個人スプリントの優勝常連。個人スプリントは、陸上競技でいうなら100m競走のようなもので、スピード感があって非常に人気が高い。
「マディソン」
トラックレースの一種。名前はニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンに由来する。1チームは2名1組、約100周で競う。チームメイト2人は随時交代が可能で、1人が下段でレースに参加している間、もう1人は上段で待機し交代後のスプリントに備える。10周ごとにポイント周回があり、周回数と合計ポイント数で順位が決まる。危険度が最も高いレースでもある。交代に備える選手は、すり鉢状になったトラックの最上部に控え、斜度を利用して加速、下段のパートナーを追い上げて“タッグ”で交代を行う。走行していたパートナーと手をつなぎ、押し出される形でパワーを引き継ぐのだ。20人ほどの選手が交錯しながらこれを全速力で行うため、1人がバランスを崩すと重大な事故につながる。このため、ダンテ・ラム監督はこのシーンの撮影中はずっと心配し通しだった。
ダンテ・ラムは香港の著名なアクション映画監督だが、その作品には1つの“特色”がある。俳優やスタッフの現場での負傷のニュースが絶えないことだ。そんなラム監督も、本作のようなスポ根モノで、キャスト&スタッフの負傷者数が80人を超え、自身の歴代記録を破ることになるとは考えていなかった。「そのうち5~6人は骨折などの重傷。こうしたリスクはどんなに安全策を講じても避けられない」。
新記録だが、こうした記録は破られなくてよい。